キースイッチをルブしてみる

目次

前置き

前回のFortitude60を組み上げてしばらく経ちました。

スイッチは軽快で、自然な姿勢でタイピングできるようになっています。
キースイッチは、親指用に「Tecsee Gold Metalスイッチ」、その他用に「Gateron Pre-lubed 3 Pins Linearスイッチ」を使っています。
今回、ルブに興味が沸いたので、Tecseeスイッチの方をルブしていきます。
他に、Fortitude60のビルド時に同時に買っていたタクタイルスイッチ「Tecsee Sapphire Switch」でもルブを施してみます。

この内、Goldスイッチを12個、Sapphireスイッチを3個ルブしました。

必要な工具・材料

スイッチの分解

まずはスイッチを分解します。
スイッチオープナーに、スイッチの4つの爪の位置を一致させて乗せます。

スイッチオープナーのもう片方の蓋と組み合わせて力をかけると、スイッチに隙間ができます。

あとは手動で割ると、4つの部品に分かれます。

上からスプリング、下は左から、ボトムハウジング、トップハウジング、ステムです。
この内、トップハウジング以外全てをルブすれば十分です。（足りなかったらトップハウジングもルブしてください。）

スイッチのルブ

ルブの基本的なやり方

筆にルブをちょん付けし、塗りたい場所に白くならない程度に塗り広げます。
出来るだけ薄く、万遍なくです。
塗りすぎても、塗らなさすぎても良くないです。
最初は違うスイッチで慣れていき、慣れてから本命のスイッチでルブするのが良いと思います。

ボトムハウジングのルブ

まずはボトムハウジングから。

スプリングとの接触部分（円柱の外側）、ステムとの接触部分（円柱の内側、ケースの内側）をルブする。
タクタイルスイッチの場合、ステムと金属の接触部分を塗るかどうかは好みによります。
タクタイル感を薄めたい場合は塗ってください。

スプリングのルブ

スプリングは、両端の外側と内側に塗るだけで良いです。
量も少し適当で良いらしいです。

ステムのルブ

ステムをルブする際、ステムホルダーがあると便利です。

ルブする場所はほぼ全てと考えても問題ないです。
タクタイルスイッチの場合でタクタイル感を薄めたくない場合は、ボトムハウジングの金属部分に接触する出っ張りには塗らないでください。

スイッチの組み上げ

ルブが完了したら、スイッチを再び組み上げます。
ボトムハウジングに、スプリング、ステム、トップハウジングの順で乗せていきます。
ステムの向きは、出っ張り（金属との接触部分）で判断するとわかりやすいです。
次に、トップハウジングの爪をボトムハウジングにしっかりと引っ掛けれます。
最後にテスターの導通機能で、1つ1つスイッチが正常動作するかどうかを確認すると完了です。

ルブ前後の打鍵音比較

Tecsee Sapphireスイッチ（タクタイル軸）、Tecsee Gold Metalスイッチ（リニア軸）のそれぞれルブ前後の打鍵音を用意しました。

Tecsee Sapphireスイッチ（上）、Tecsee Gold Metalスイッチ（下）
ルブ前（左）、ルブ後（右）

興味があれば聴いてみてください。

1. Tecsee Sapphireスイッチ ルブ前
2. Tecsee Sapphireスイッチ ルブ後
3. Tecsee Gold Metalスイッチ ルブ前
4. Tecsee Gold Metalスイッチ ルブ後

後書き

今回、2種類のスイッチをルブしました。
リニアスイッチ（Tecsee Gold Metalスイッチ）のルブ効果は大きく、より良い滑り、心地良い打鍵音を奏でてくれるようになりました。
対してタクタイルスイッチ（Tecsee Sapphireスイッチ）の方は、ルブすることによってリニアスイッチ寄りに変化しました。
個人的には、Gold Metalスイッチはやって良かったと思える半面、Sapphireスイッチは微妙に感じました。
次回は、ルブ済みのGold MetalスイッチをFortitude60に組み込んでいこうと思います。